先人の知恵

9月から10月にかけてはあちらこちらで秋のお祭りが開催されます。

秋祭りは今年の豊作を祝うことですが、今年は猛暑に加え、せっかくの収穫を目前にして台風、

豪雨の襲撃を受けてしまいました。

今回の関東・東北水害において、栃木県が14日に発表した農業被害は約19億3千万円。

栃木県の県特産は米やイチゴなど、他にもいろいろ。

これが鬼怒川決壊により、ことごとくダメになってしまったとのことです。関係者の方々の心情は

いかほどか。

過去の歴史をひも解いてみると、広大な河の周囲では大規模な農業が営まれ、それに伴い

文明が発達してきました。

世界四代文明の一つであった古代エジプトでは紀元前3500年ころにはナイル川の氾濫を

利用して麦類を中心に畑作農業が営まれました。

「氾濫」というと語弊があるかもしれませんが、ナイル川の氾濫とは、日本のように濁流が一気

に押し寄せるのではなく、春季にナイル川上流に降る多量の雨水がゆっくりとナイル川の下流

に流れていきます。

そしてナイル川の下流の堤防をジワジワと越えて水が外に漏れ出るのです。

この水で土壌に水分が充分補給され、同時に上流の肥沃な土壌も一緒に供給されるため、

豊かに作物が実ったとのことです。これに伴い文明が発達していったのです。

これは自然の摂理をうまく利用しているいい例ではないでしょうか。

自然というものは人間の力でねじ伏せ、従えたように見えても、時が来れば壊れてしまう。

一度原点に立ち返ってみるべき時期に来ている?

先人の知恵に学ばねばならぬことは多いようです。

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