柿の木の実が色づき始めました。鳥たちはよく味を知っており、美味しいものは競って食べられ
てしまいます。
柿といえば店頭に並ぶものは随分と甘くなりました。口にいれるとなんともいえない渋みを感じる
ことはなくなっています。
渋柿といえば干し柿として初めて美味しくいただけますが、食べるだけでなく、渋柿には素敵な
素材のもとになってくれます。
渋柿の未熟な実をすり潰して搾汁し、発酵させたものを「柿渋(かきしぶ)」といいます。
柿渋液に含まれる「柿タンニン」は防水、防腐、防虫効果があり、塗布することで効果を発揮しま
す。水桶、和紙、天井板などに耐水や材の補強、防腐を目的に塗られてきています。
また塗料だけではなく、高血圧降下剤や火傷の塗り薬、二日酔いの薬にも使われてきました。
渋柿一つでもわかるように、食べられなければ食べられるように加工したり、使い道を探して長
所を生かして使用するという先人の知恵はさすがです。