匠の技 青森県弘前城

こちらはすっかり葉桜となりましたが、青森県は今が桜の花盛り。

全国有数の桜の名所に数えられる青森県弘前市の弘前公園で、弘前さくらまつりが

今月23日から開催されています。

なんといっても桜を際立たせるのが国の重要文化財に指定されている弘前城の天守閣

やお堀。

弘前城

1611年に弘前藩2代藩主、津軽信枚によって築かれたものです。

もとは五層の天守閣でしたが、1627年に落雷で焼失して、その後再建されて現在

に至りますが、いかんせん当時の法律『武家諸法度』で天守閣の新築が禁じられてお

り、ようやく1810年に隅櫓(すみやぐら)の名目で幕府の許可を得て築かれたの

が三層の天守閣でした。

ちなみに櫓(やぐら)は城郭内に防御や物見のために建てられた仮設または常設の建築物のことで、隅櫓(すみやぐら)とは城郭の隅に建てられた櫓のこと。まさにものは言いよう、弘前城の天守閣は苦肉の策を奏して建てられたものなのです。

 さて、今秋から100年ぶりに10年をかけて城の石垣の大規模修理が始まりますが、

工事に伴い天守閣は何と北西へ700m移動させるとのこと。

これは「曳き家」工法と呼ばれるもので、建築物をそのままの状態で移動する建築工法

です。

現在入手が不能な大径木が使用されているなど、建物に希少価値がある場合に限られて

います。床下の見えない部分に時間と労力をかける、まさに匠の技そのものですね。

ぜひ後世に受け継がれていくべきものだと思います。

完成も楽しみですが、作業工程もぜひ注目したいところです。そして訪れてみたい場所

のひとつです。

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